笹島貴明選手 #6


私たち慶應大学の先輩である、笹島貴明選手の活躍を伝える連載の第6回、今回は育成合宿での取材を通して、6~7月に行われた世界大会での成果から今後の目標に至るまでのお話を聞いた。

6~7月に行われたポーランドワールドカップは、笹島選手にとって二度目の国際大会。初めての世界大会である経験したオランダワールドカップでは、一つも白星を挙げることができず悔しい結果に終わったが、ポーランドワールド大会では、予選で勝利を挙げ決勝プールに進むことができた。その成績だけでも笹島選手の成長がうかがえるが、決勝プールで中国の強豪選手と戦うことができたことも大きな収穫だったという。中国の選手は身長が高く腕も長いため、届く範囲が広い。したがって、日本人同士で戦っていて当たり前の感覚が、世界レベルでは通用しないことに気づかされる。海外の選手と戦う難しさを体感できることも世界大会に出場する意義になるのだろう。

 

実践練習後、他の選手と談笑する笹島選手
実践練習後、他の選手と談笑する笹島選手

 

大きな収穫のあったポーランドワールドカップ後、笹島選手を褥瘡(じょくそう)が襲う。褥瘡とは、いわゆる床ずれのことで、皮膚が圧迫されることによって血流が悪くなり、傷ができてしまう症状を指す。車いすフェンシングに限らず、車いすバスケットボールなど車いすを使った競技をする人は発症しやすいという。笹島選手の傷は、現在ではほぼ治っているが、約二か月の間はフィジカルトレーニングのみで実戦練習を行うことができず、今回の育成合宿が久しぶりの練習だったそうだ。それだけに「ブランクを感じる」と一言。周りの選手たちが実力を伸ばしていることを喜ばしいと感じる反面、悔しそうな様子だ。しかし、「久しぶりに他の選手とともに戦い、キィコーチの指導を受けたことで心機一転することができ、フィジカルトレーニングの成果も楽しみ」と前向きな姿勢を見せた。

 

キィコーチの指導を受ける笹島選手(左)
キィコーチの指導を受ける笹島選手(左)

 

当面の目標として、「まずは元の状態に戻していきたい」と語り、休養中のブランクを埋めることを掲げた。しかし、10月に行われる予定の日本選手権まではすでに二か月を切った。「10月に入る頃にはさらにレベルアップしたい」とのことで、日本選手権に向かって調子を上げ、前回の日本選手権のベスト8を上回るベスト4以上の成績を目指す。その後は、ローマで行われる世界選手権も続く。笹島選手は、練習に対するひたむきさと前向きで明るい姿勢を活かし、これからも進み続けてくれるだろう。その姿を見るのが楽しみだ。

 

(記事・清野日奈子)