京都取材8月19日

8月19日から21日の3日間、京都の練習場にて育成合宿が行われ、学生広報インターンが取材に出向いた。合宿は、強化合宿と育成合宿に分かれており、強化合宿は主に日本代表として国際試合に出場する強化指定された選手が参加、育成合宿は強化指定を得ることを目標とする選手が中心なため、参加する選手が少し異なるそうだ。

練習場に足を踏み入れるといつも感じること、それは設備の充実。以前はピストの下にカーペットを敷いていたが、現在は専用の金属製の板が敷かれている。また、ピストの数も増加した。最も目立つのは、車いすフェンシングと住友三井オートサービスの垂れ幕。今年5月に住友三井オートサービスとスポンサー契約 を締結したことは記憶に新しいが、その垂れ幕が車いすフェンシングの新しい一歩を物語っていた。

新しい設備のもと、選手たちは自身の実力アップに努めている。育成合宿に参加していた角田成選手は、「合宿に参加するのはキィコーチの指導を受けられるから」と話す。キィコーチは車いすフェンシングの経験者だからこそ可能な選手の体や状態に合った指導をしてくれるとのこと。キィコーチからのレッスンで技術を身に付けてから試合形式の練習で実践するという流れで、多くの選手が実力向上を目指している。また、中川清治選手は、「合宿はレベルの高い選手と練習できる場」と話した。実戦 練習の際は、戦っている二人と審判を合わせた三人が、助言などの会話を通じてプレーをより良くしようとする姿が見られた。合宿で多くの時間を共に過ごし、同じように車いすフェンシングに熱心に打ち込む仲間だからこそ強まる結束があるのだろうと感じた。

 

キィコーチとのレッスンに励む角田選手(左)
キィコーチとのレッスンに励む角田選手(左)

 

練習に励む選手を和ませる新しい存在が、キィコーチの妻であり、4月から車いすフェンシングの専属ナースとして選手をサポートするマンディさんだ。マンディさんは、出身である香港で看護師の経験があるほか障害者スポーツの国際大会でのボランティア経験があり、ケガの心配の絶えない選手に寄り添うことのできる知識を備えた適任者だと言える。しかし、マンディさんの魅力はそれだけではない。穏やかで優しさあふれる人間性が、多くの選手やスタッフの心をつかんでいる。 また、マンディさんは日本語を勉強中で、選手と進んでコミュニケーションを取っている。選手や監督、コーチとたわいもない話をするマンディさんを見ていると、いるだけで周りが安心し、笑顔になれるような雰囲気を作り出しているようだった。

 

実戦練習の周りには自然と人が集まってくる
実戦練習の周りには自然と人が集まってくる

 

練習とは、自身の実力を向上させるために自己と向き合うことである。そのためには、練習設備が整っていなければどうしようもない。したがって、設備の充実は、確実に必要な要素であるに違いない。しかし、設備だけがそろっていれば良いというのではないはずだ。キィコーチ、仲間の選手たち、マンディさん、監督・・・多くの人たちとの関わりがあるからこそ、選手一人では成し得ない成長を遂げ、強さへとつながっていくのだと感じた。車いすフェンシングに関わる人々のあたたかい絆で、きっとこれからさらなる進化を遂げていくだろう。

(記事・清野日奈子)