ちばフェスタレポート

6月11日、千葉県幕張メッセで、「県民の日ちばわくわくフェスタ2017」が開催された。2020年に行われる東京パラリンピックでの車いすフェンシングの会場が幕張メッセということで、このイベントでは車いすフェンシングの体験ができるブースが設けられた。他にも、レスリングやボッチャなどの競技体験、柏市の高校の吹奏楽部の演奏、千葉のご当地グルメなど様々な分野のブースがあり、一日では回り切れないほどだ。

車いすフェンシングの体験は、午前と午後で1時間ずつ合わせて40名を予定していた。開場後は、体験参加の予約が続々と入り、午前の予約は早いうちに埋まってしまったようだ。予約をした人は、「全くやったことのない競技を体験してみたかった」と話す。珍しい、滅多に体験できないという点が、予約をした人達にとっては車いすフェンシングの魅力だったのかもしれない。

体験が始まると、まず、日本車いすフェンシング協会の小松理事長の説明のもとで選手たちによるデモンストレーションが行われた。剣を使って相手を突いたり、避けるのが難しそうにも関わらず相手の攻撃をうまくかわしたりする選手たち。車いすフェンシング体験の参加者たちは、その様子に真剣なまなざしを向けていた。説明が終わると、体験がスタート。参加者の多くは、本物の剣と防具を装備したのはおそらくこれが初めてだっただろう。

説明をする小松理事長(中央奥)と参加者たち
説明をする小松理事長(中央奥)と参加者たち

 

参加者の中には、小学生ほどの子供たちが目立つ。多くの子供たちは、初めて剣を持ってうれしそうな表情を見せていた。体験後には、「剣が重かった」、「選手に当たって楽しかった」などと率直な感想を話してくれた。子供だけでなく、大人の参加者も見られる。大人の参加者からは「普段人を刺すことはないから、刺すということ自体が難しい」「こんなに強く刺してやっとポイントになるのかと驚いた」といった感想が聞かれ、実際に体験しなければわからない車いすフェンシングの難しさや面白さを大いに感じていた。

選手(右)に向かって剣を突く参加者
選手(右)に向かって剣を突く参加者

 

多くの参加者が体験をしながら驚きや楽しさを表情に出すのを見て、スポーツにおいて、「体験する」ということがいかに大切かを目の当たりにした。野球やサッカー、バレーボールなどの競技は、テレビでも多く中継され、観戦を楽しむ人が多いスポーツの代表と言える。それは、これらの競技の経験者が多いということが大きな要因であるのだろう。自分でプレーをしたことがあって、ルールや楽しさ、難しさがわかるからこそ、観戦したときにプロ選手のプレーを見て「すごい!」と感じたり、試合経過を見て「勝てるかも!」と展開にドキドキしたりするなどさらに楽しむことができるのだと思う。

オリンピックやパラリンピックのような大きな舞台では特に、選手だけがいてプレーをするのではなく、応援や観戦をする観客が大勢存在する。観客たちが応援や観戦を楽しみ、プレーから元気や勇気をもらうこともスポーツの醍醐味の一つだ。スポーツは選手だけでなく、見る人もいるからこそ楽しさや興奮が広がり、ますます盛り上がっていくのだということをこのイベントを通して改めて感じた。車いすフェンシング協会も車いすフェンシングの開催地である千葉県も、まずは千葉県民に競技をよく知ってもらって、パラリンピックを盛り上げたいという気持ちは一致しているようだ。今回のような体験イベントをきっかけに、千葉県から日本中へ、車いすフェンシングの面白さが広がって、さらにパラリンピックが盛り上がることを願っている。

 

 

(記事・慶應スポーツ新聞会 清野日奈子)