合宿取材第1回 W杯に向けて&笹島選手#4

w杯に向けて練習する安選手と加納選手(手前)
w杯に向けて練習する安選手と加納選手(手前)

24日、私は京都での合宿へ日帰りで伺った。私たちが京都での取材をさせていただくのは、去年の8月以来の2回目だが、私自身が合宿を見学するのはこれが初めて。これまでの東京都北区赤羽での練習取材とは少し違った心持ちでの取材となった。

 この日、藤田道宣選手の応援に、彼の高校の先輩だったというロンドンオリンピックフェンシング銀メダリストの太田雄貴さんが来てくださった。今回の取材のレポートは、今月行われるハンガリーW杯に向けた選手たちの練習とインタビュー、加えて笹島選手の連載に関しての第1回、そして、藤田選手と太田さんに関しての第2回にわたって書きたいと思う。

 

 

 ということで、第1回のレポートでは、まず車いすフェンシングのW杯に関しての説明をしたい。車いすフェンシングでは、毎年数回、世界各地でW杯が行われている。今年2017年には、今の時点で、前述したハンガリーや、オランダ、ポーランドなどの国で開催されることが発表されている。日本の選手たちは、今年最初のW杯である今月のハンガリー大会を目標に昨年から練習に取り組んできた。選手やコーチに、大会に向けての意気込みや、今後のことについてインタビューした。

 

櫻井選手(手前)の練習
櫻井選手(手前)の練習

 現在日本で唯一、海外遠征をする女性選手、櫻井杏理選手は、「2月の試合でとにかく結果を出したい」と語ってくれた。課題は駆け引きと距離感。櫻井選手はエペとフルーレの2種目を行なっているとのこと。その二つでは、距離の使い方や有効面などが違ってくるのだ。しかし、今はまだ国内に女性選手が少ない。だから対戦相手がいず、練習は男性選手と行うことが必然的に多くなってしまう。男性と女性とでは距離感が違う。車いすフェンシングにとって距離感は重要なポイントの一つだ。そんな中、彼女は最近までイギリスに行って試合を想定した練習を行ってきたという。試合に向けては「練習しかない」とのことだった。

 先日の東京でのフラッグツアーで白熱した試合を見せてくれた加納慎太郎選手は、合宿では大会に向けて、基礎を中心に練習を行なっていると語ってくれた。

 

キィヘッドコーチが指導する
キィヘッドコーチが指導する

 香港の元車いすフェンシング選手であり、パラリンピック2大会連続金メダリストの馮英騏 (フン イン キィ)ヘッドコーチは今後どのような練習をしていきたいか語ってくれた。まず、練習のシステムを3種目にすること。フェンシングはフルーレ、エペ、サーブルの3種目あるものの、現段階の日本の車いすフェンシングでは、フルーレの練習がほとんど。その幅を広げたいとコーチは願っている。次に、選手について。今は強化選手が5人いて、彼らを重点的にコーチングしている状態だが、これからは育成段階の選手も加え、強化の人数を増やしていきたいようだった。

練習をする笹島選手
練習をする笹島選手

 

 

 最後に、笹島貴明選手連載のその後を書きたい。残念ながら、今回の国際大会には出ないが、今の練習状況や心境を聞いた。11月のインタビューから変わらず、フォームへの意識付けが課題だという。「練習はパターン形式で行なっているので、試合で練習の形に持ち込めるようにしたい」とのことだった。練習を試合に還元し、練習で試合を意識した取り組みをしているようだ。2月のW杯に出られないからこそ、次の国際大会への想いは人一倍強く感じられた。より大きな舞台で輝くことが楽しみだ。

 

 

 

(記事・慶應スポーツ新聞会 高山実子)