車いすフェンシングのルール(解説)


1. 車いすフェンシングの競技基本規則はFIE(国際フェンシング連盟)の競技規則に準じ、剣や防具も同じものを使用する。車いすフェンシング特有のルールはIWAS(国際車いすフェンシング協会)の規定を適用する。

 

2. 競技種目は男女ともフルーレ・エペ・サーブルの三種目、個人戦・団体戦を行う。

3. 車いすを固定するピスト

 ・車いすの両タイヤを留め金で固定

 ・前輪はピスト前面の内側に触れる位置

 ・全ての車輪はピスト上にあること

 ・競技前の「距離の計測」に際して、三種目において フェンサーの腕の長さに対応して調整しやすいものであること

 ・種々の車いすの幅に対応して調整しやすいものであること

4. 障がい者フェンサーの安全のために、規定を厳格に遵守する。着用するユニフォームは安全基準に合格したものでなければならない。

 

5. 車いすには最高10cmまでの高さのクッションが使用できる。

 

6.  競技者はアン・ギャルド(構えの姿勢)で必ず静止してから競技する。フルーレ、エペの場合、アン・ギャルドは剣を持つ腕を肘で曲げ、相手の剣とクロスさ せる状態にする(刃と刃は合わせない)。サーブルでは剣をクロスさせることはない。審判はその権限において、距離測定及び構えの姿勢を修正・指示すること ができる。

7. 車いす間の距離の計測

フルーレ:対戦するフェンサーは車いすの真ん中にまっすぐ座る。フェンサーの一人が剣を持つ腕の肘を直角に曲げて相手に正対する。相手の剣先は、腕を完全 に伸ばした時に、肘の近くの前腕の内端の上に垂直に届くようにする。それぞれのフェンサーが同じ動作をして距離の計測をする。フェンサーの腕の長さが異な る場合は、車いす間の距離は、腕の短いフェンサーの計測に合わせる。腕の短いフェンサーが長い方の計測を選択することもできるが、計測された距離より長く することはできない。フェンサーがお互いに距離について異論がある場合は、審判の判断において最終決定する。

 

・エペ:フェンサーは車いすの真ん中にまっすぐ座り、剣を持つ肘に一方のフェンサーの剣先がちょうど届く距離とする。以下はフルーレ同様。

 

サーブル:フェンサーは車いすの真ん中にまっすぐ座り、エペと同様に計測する。

 

8. 競技中、障がいに伴う何らかの状態(例えば不随な痙性:けいせい)が起こった場合、審判は時間を限定しないで、回復のために十分な時間を与えることができる。このルールの適用によって不正な利益を得ないようにすることは審判の裁量にまかせる。

9. 得点・ゲームの勝敗

 

・フルーレ:

フ ルーレで使用する剣は最大110cm(剣身最大90cm)で重さは最大500gを超えない。剣先には500gの強さのバネが入っていて、これ以上の力で 有効面となるメタルジャケット着用の胸部、腹部、背部に加えて、マスクのノドのメタルの部分を突くと赤、もしくは緑のランプが点灯してポイントとなる。上 記以外の部分を突いた場合は白いランプが点灯し、ポイントは無効となる。また色ランプと白ランプが同時に点灯した場合も無効となる。

 

 ・エペ:

剣 は最大110cm(剣身最大90cm)で重さは最大770gを超えない。剣先には750gの強さのバネが入っていて、これ以上の力で突くとランプが点灯す る。有効面は上半身で、相手より早くつけば色ランプが点灯しポイントとなる。電気審判器の中に1/25秒のタイム差がセットされていて、このタイム差以内 で両選手が「同時突き」をすると両選手の色ランプが点灯し、1ポイントずつ与えられる。下半身はメタルのスカートを装着し、無効面となる。

 

・サーブル:

剣 は最大105cm(剣身最大88cm)で重さは最大500g。「斬る」動作が入るために、剣身は扁平な刃がついていて、いわゆる「みね」の部分も剣先 1/3が裏刃になっていて、その「刃」の部分で斬れば有効となる。剣についた小さなセンサーが振動をとらえて、相手を斬ったかどうかを感知する。判定は審 判器による。

 

・得点:

上記3種目ともに、予選のプール戦は4分間(実働)5トゥッシュ(突き)とする。

エ リミナシオン・ディレクト(トーナメント)戦及び決勝戦は9分間(実働)。3分ごとに1分間の休憩を与える15トゥッシュとする。全ての試合において、タ イムアップ時に同点である場合、優先権を決定するための抽選の後、1分間の延長戦を行う。延長戦で有効な突きがあり勝者が決定した場合のスコアは、5本勝 負はV-415本勝負はV-14となる。